無題2
「今夜、お通夜するから、桜田さんには来て欲しいの。」
「分かりました。何時に、どこでやるんですか。」
死んだ。それは、その人に二度と会えないこと。
「三丁目の公民館でやるの。渡したいものがあるから・・・」
「絶対いきます。」
思ったより、強気な声がでた。現実を受けとめたい。死んだというのは本当なのかを確かめたかった。死というのは、どういうことなのかを確かめたかった。
「じゃあ、六時に。待ってるわ。」
「はい。」
電話がツーッツーッと無機質な音をだして、今まで話していた相手が、受話器を置いたことを知らせていた。
「渡したいものってなんですか。」と聞こうともったのに。と思ったが、どうせ聞けないだろうと結論付けて、大きなため息をついた。
日差しの強い太陽にそのときばかりは嫌気が差した。そして、人が一人死んだぐらいで、太陽も世の中も、全く変わらない。という現実をみた。
時計をみると二十分だった。電話をうけとってから8分しかたっていなかったが、優奈には先の電話が、もの凄く長い時間に感じられた。
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